2025.06 icoi Lounge MUSIC コラム
6月という、まんなかのずれ
「2025年も、もう半分まで来たね」あるいは、
「もう半分終わっちゃうよ!」なんて、なぜか“焦り”のニュアンスが飛び交う、6月。たしかにカレンダーでいえば、1月から数えて6月はちょうどまんなか。しかもこの月には「夏至」があります。日の出から日の入りまでがいちばん長い日。2025年は6月21日です。
“昼間が一番長い日”と、“1年のちょうどまんなか”。言われてみれば、なんだかしっくりきませんか?
けれど、新年度が始まる4月を起点に考えると、6月はまだ3か月目。「半分」どころか、「はじまり」に近いとも言えるのです。季節でたどれば「春、6月、夏、秋、冬」。もし“季節のまんなか”を「夏の終わりから秋のはじめ」と捉えるなら、6月はまだその手前。「夏はこれから!」という感覚のほうが、むしろ自然かもしれません。
そう、夏至は「夏の入口」にすぎない。そこから先には、花火や、お祭りや、普段とはちょっと違う、すこし大人びた顔に出会える夏の夜が待っています。学生にとっては甘酸っぱい青春。大人にとっては、ほんの一夜だけのときめきに心が揺れる、夏の魔法。そんな「特別な時間」が、夏にはあるんです。
もしかしたら、カレンダーの“まんなか”と、季節の“まんなか”の微妙なずれこそが、これからやってくる夏に、ほんの少しの儚さを添えてくれているのかもしれません。
今月のプレイリストは全18曲。ちょうど“まんなか”あたりにセットした8曲目は、Griffの「Into The Walls」。ロンドン近郊・ワトフォード出身。中国人とジャマイカ人の両親のもとに生まれたGriffは、音楽制作ソフトを兄から借りて、11歳で音楽の世界へ足を踏み入れます。2019年、デビュー。
「疎外感」を抱えていた彼女が、それをそっと表現するためにはじめた音楽。繊細な歌詞とメロディーは、この季節の儚さに、そっと寄り添ってくれるかもしれません。
まんなかのずれに身をゆだねながら、ふと夏の入り口に心がときめく6月です。
「もう半分終わっちゃうよ!」なんて、なぜか“焦り”のニュアンスが飛び交う、6月。たしかにカレンダーでいえば、1月から数えて6月はちょうどまんなか。しかもこの月には「夏至」があります。日の出から日の入りまでがいちばん長い日。2025年は6月21日です。
“昼間が一番長い日”と、“1年のちょうどまんなか”。言われてみれば、なんだかしっくりきませんか?
けれど、新年度が始まる4月を起点に考えると、6月はまだ3か月目。「半分」どころか、「はじまり」に近いとも言えるのです。季節でたどれば「春、6月、夏、秋、冬」。もし“季節のまんなか”を「夏の終わりから秋のはじめ」と捉えるなら、6月はまだその手前。「夏はこれから!」という感覚のほうが、むしろ自然かもしれません。
そう、夏至は「夏の入口」にすぎない。そこから先には、花火や、お祭りや、普段とはちょっと違う、すこし大人びた顔に出会える夏の夜が待っています。学生にとっては甘酸っぱい青春。大人にとっては、ほんの一夜だけのときめきに心が揺れる、夏の魔法。そんな「特別な時間」が、夏にはあるんです。
もしかしたら、カレンダーの“まんなか”と、季節の“まんなか”の微妙なずれこそが、これからやってくる夏に、ほんの少しの儚さを添えてくれているのかもしれません。
今月のプレイリストは全18曲。ちょうど“まんなか”あたりにセットした8曲目は、Griffの「Into The Walls」。ロンドン近郊・ワトフォード出身。中国人とジャマイカ人の両親のもとに生まれたGriffは、音楽制作ソフトを兄から借りて、11歳で音楽の世界へ足を踏み入れます。2019年、デビュー。
「疎外感」を抱えていた彼女が、それをそっと表現するためにはじめた音楽。繊細な歌詞とメロディーは、この季節の儚さに、そっと寄り添ってくれるかもしれません。
まんなかのずれに身をゆだねながら、ふと夏の入り口に心がときめく6月です。